漢字にしたしむ本

書に志す人は、単に字形のみを追うだけでなく、文字そのものに対する知識を養うことが必要である。本書は、特に書を学ぶ人々のために書かれた漢字入門書。漢字の成立と歴史、字体・書体の変遷と書風の推移など、実作家の立場を踏まえて詳説する。

第一章　漢字の起源
　　　　（一）ことばと漢字
　　　　（二）絵と漢字
　　　　（三）陶文
　　　　（四）甲骨文字〈占いの文字〉
　　　　（五）青銅器の文字
　　　　（六）造字誕生の神話

第二章　漢字の構成
　　　　（一）文と字
　　　　（二）漢字の特徴〈形・音・義〉
　　　　（三）漢字の分化
　　　　（四）造字の原理〈六書〉
　　　　（五）部首について

第三章　書体の変遷と書風の相違
　　　　（一）篆書
　　　　（二）隷書
　　　　（三）楷書
　　　　（四）行書
　　　　（五）草書
　　　　（六）書風の相違
　　　　（七）書写材料の変化と漢字

第四章　字体の話
　　　　（一）秦の始皇帝の文字改革
　　　　（二）唐楷の整理
　　　　（三）則天文字
　　　　（四）多様な字体の発生理由


　　あとがき――――――――――――――――――松清秀仙