遣唐使が歩いた道
けんとうしがあるいたみち

7世紀前半〜9世紀、18回にも及んだ遣唐使が我が国にもたらしたものは何か。苦難の末に唐土に渡った多くの先人たち、吉備真備、阿倍仲麻呂、空海、最澄、円仁らの足跡を現地にさぐり、日中の資料を駆使して克明にたどる。〈人民中国〉好評連載を翻訳。





序 章 徐福が開いた中日航路
徐福像の前に立って/昔の登瀛村は賑やかな市場に/徐家村のエピソード/
徐福が船出した古港口/黄河営古港の今昔/日本での徐福の足跡と伝説
第1章 古代中国の表玄関――登州(山東省)
古代の玄関口――登州港/高僧円仁と登州の開元寺/
マルコ・ポーロより古い旅行記/蓬萊閣と蓬萊水域/
蓬萊水域で大型の古代戦艦を発見
第2章 円仁と赤山法華院(山東省)
美しい海浜都市/九死に一生で赤山浦に漂着/赤山法華院/五台山への途/
帰国途中に法華院に寄る/千年古刹の雄姿再現
第3章 文人学者が登った地――文登(山東省)
円仁、文登県に四泊/昔は役所、いま銀行/文登の文化人/
道教の聖地――昆嵛山
第4章 「海のシルクロード」の起点――煙台(山東省)
昭和の女性遣唐使も煙台に上陸/クラゲの和えものに絶句/煙台の春節/
秦の始皇帝と芝罘/唐代の芝罘港は商人の町/世界とつながる煙台港
第5章 第一回遣唐使が上陸した萊州(山東省)
薬師恵日の歴史上の功績/遣唐使の処遇/難破の三津浦から出帆/
三つの航海コース/命がけの旅
◇
煙台説と萊州説/唐の太宗が接見/高表仁の面子/大化改新の顚末/
会昌仏教撲滅運動、萊州にも波及/書道家の霊峰――霊峰山
第6章 聖跡・五台山巡礼(山東省)
文殊菩薩が現れた山/念願の五台山で開眼/古今の盂蘭盆祭/
普寿寺の比丘尼仏学院
◇
霊仙――五台山を訪ねた先輩日本人/黄金色に輝く経桶と仏塔
奝然――法理を求むるにあらず、修行のために来たり
寂照――中国へ経典の里帰り
成尋――神宗帝を驚かせた雨乞いの術
第7章 古代日本と中国を結んだ町――明州(浙江省)
稲作のルーツ――河姆渡遺跡/中末期の遣唐使の上陸地/
最澄に与えた通行証――日本国の一級文物/鑑真和上も住んだ寺――阿育王寺
◇
日本に茶をもたらした栄西/日本曹洞宗の発祥地――天童寺/
天童第一座――雪舟/八十七歳の遣明使――了庵
第8章 空海の足跡が残る地――福州(福建省)
福に恵まれた地/藤原葛麻呂は待賓館に泊まった/空海は開元寺に滞在していた/
円珍と円載の悲しい出会い/欧陽詢の真筆との出会い
第9章 古代の国際開放都市――泉州(福建省)
隠元の研修所/バイクの町/「地下は西安、地上は泉州」/中世東洋随一の港/
宋代の沈没船と日本の荷札/琉球に伝わった泉州三十六姓/明代の国際結婚
第10章 いよいよ長安に向う――杭州(浙江省)
夜の西湖に船浮べて/蘇東坡の名句/西施の故里/「都亭駅」と「懐遠駅」/
南屛の鐘の音/多くの日本人僧が訪ねた径山寺/日本の茶道のルーツ
第11章 蘇州に残る遣唐使の足跡(江蘇省)
東方のベネチア/第十回遣唐使、劉家港に上陸/帰国途中に遣唐使船団、四散する/
玄宗帝、聖武天皇に手紙を出す/藤原清河大使、黄泗浦より出帆/
難破して唐に戻ってきた一号船
◇
阿倍仲麻呂の望郷の歌/阿倍仲麻呂の帰国時の身分/阿倍仲麻呂、王維に剣を贈る/
遣唐使とともに海を渡った少女/寒山寺の空海・鑑真和上像/
夜半の鐘声、吉祥を祈る
第12章 潤州の金山、焦山、北固山(江蘇省)
千七百余年の歴史を誇る町/栄西と金山寺の味噌/金山寺と道成寺の恋物語/
空海は焦山定慧寺に泊まる/鑑真和上、潤州で授戒する/
北固山にある阿倍仲麻呂の詩碑
第13章 唐代の国際都市――揚州(江蘇省)
瓜州の渡し場は語る/第十八回遣唐使団と揚州/藤原貞敏、琵琶を極める
◇
隋煬帝の行宮と陸墓/唐代第三の大都市/鑑真和上ゆかりの大明寺/
栄叡と普照、大明寺に鑑真を訪ねる/とこしえに変わらぬ栄叡の碑
第14章 七代王朝の都――汴州(開封)(河南省)
遣唐使は楚州経由で往復した/ここが「東京」とは……/宋の太宗と奝然の対話/
東京における成尋/中日姉妹寺院――大相国寺
第15章 日本と長く古い縁――洛陽(河南省)
「京洛」の稚称、日本の京都/最初の日本との外交関係/日本の国宝となった金印/
黄河畔に眠る漢の光武帝/倭王卑弥呼、魏に使節を送る/漢魏故城遺跡に立って/
歴史に記載された「国書事件」
◇
玄宗帝と遣唐使/東都洛陽城遺跡を訪ねて/栄叡と普照ゆかりの大福先寺/
洛陽と奈良の慮遮那大仏
第16章 遣唐使がめざした憧れの都――長安(陝西省)
復元された古都長安の城壁/吉備真備公園となった唐代の国子監/
玄宗帝が藤原清河らを接見した含元殿/含元殿遺跡の発掘/
文献に残る史上初の中日囲碁対局
◇
阿倍仲麻呂記念碑/則天武后、麟徳殿で粟田真人を接見/
日本の高僧たちが学んだ西明寺/青竜寺――空海と恵果の不思議な縁/
遣唐使中止のいきさつ
あとがき
徐福像の前に立って/昔の登瀛村は賑やかな市場に/徐家村のエピソード/
徐福が船出した古港口/黄河営古港の今昔/日本での徐福の足跡と伝説
第1章 古代中国の表玄関――登州(山東省)
古代の玄関口――登州港/高僧円仁と登州の開元寺/
マルコ・ポーロより古い旅行記/蓬萊閣と蓬萊水域/
蓬萊水域で大型の古代戦艦を発見
第2章 円仁と赤山法華院(山東省)
美しい海浜都市/九死に一生で赤山浦に漂着/赤山法華院/五台山への途/
帰国途中に法華院に寄る/千年古刹の雄姿再現
第3章 文人学者が登った地――文登(山東省)
円仁、文登県に四泊/昔は役所、いま銀行/文登の文化人/
道教の聖地――昆嵛山
第4章 「海のシルクロード」の起点――煙台(山東省)
昭和の女性遣唐使も煙台に上陸/クラゲの和えものに絶句/煙台の春節/
秦の始皇帝と芝罘/唐代の芝罘港は商人の町/世界とつながる煙台港
第5章 第一回遣唐使が上陸した萊州(山東省)
薬師恵日の歴史上の功績/遣唐使の処遇/難破の三津浦から出帆/
三つの航海コース/命がけの旅
◇
煙台説と萊州説/唐の太宗が接見/高表仁の面子/大化改新の顚末/
会昌仏教撲滅運動、萊州にも波及/書道家の霊峰――霊峰山
第6章 聖跡・五台山巡礼(山東省)
文殊菩薩が現れた山/念願の五台山で開眼/古今の盂蘭盆祭/
普寿寺の比丘尼仏学院
◇
霊仙――五台山を訪ねた先輩日本人/黄金色に輝く経桶と仏塔
奝然――法理を求むるにあらず、修行のために来たり
寂照――中国へ経典の里帰り
成尋――神宗帝を驚かせた雨乞いの術
第7章 古代日本と中国を結んだ町――明州(浙江省)
稲作のルーツ――河姆渡遺跡/中末期の遣唐使の上陸地/
最澄に与えた通行証――日本国の一級文物/鑑真和上も住んだ寺――阿育王寺
◇
日本に茶をもたらした栄西/日本曹洞宗の発祥地――天童寺/
天童第一座――雪舟/八十七歳の遣明使――了庵
第8章 空海の足跡が残る地――福州(福建省)
福に恵まれた地/藤原葛麻呂は待賓館に泊まった/空海は開元寺に滞在していた/
円珍と円載の悲しい出会い/欧陽詢の真筆との出会い
第9章 古代の国際開放都市――泉州(福建省)
隠元の研修所/バイクの町/「地下は西安、地上は泉州」/中世東洋随一の港/
宋代の沈没船と日本の荷札/琉球に伝わった泉州三十六姓/明代の国際結婚
第10章 いよいよ長安に向う――杭州(浙江省)
夜の西湖に船浮べて/蘇東坡の名句/西施の故里/「都亭駅」と「懐遠駅」/
南屛の鐘の音/多くの日本人僧が訪ねた径山寺/日本の茶道のルーツ
第11章 蘇州に残る遣唐使の足跡(江蘇省)
東方のベネチア/第十回遣唐使、劉家港に上陸/帰国途中に遣唐使船団、四散する/
玄宗帝、聖武天皇に手紙を出す/藤原清河大使、黄泗浦より出帆/
難破して唐に戻ってきた一号船
◇
阿倍仲麻呂の望郷の歌/阿倍仲麻呂の帰国時の身分/阿倍仲麻呂、王維に剣を贈る/
遣唐使とともに海を渡った少女/寒山寺の空海・鑑真和上像/
夜半の鐘声、吉祥を祈る
第12章 潤州の金山、焦山、北固山(江蘇省)
千七百余年の歴史を誇る町/栄西と金山寺の味噌/金山寺と道成寺の恋物語/
空海は焦山定慧寺に泊まる/鑑真和上、潤州で授戒する/
北固山にある阿倍仲麻呂の詩碑
第13章 唐代の国際都市――揚州(江蘇省)
瓜州の渡し場は語る/第十八回遣唐使団と揚州/藤原貞敏、琵琶を極める
◇
隋煬帝の行宮と陸墓/唐代第三の大都市/鑑真和上ゆかりの大明寺/
栄叡と普照、大明寺に鑑真を訪ねる/とこしえに変わらぬ栄叡の碑
第14章 七代王朝の都――汴州(開封)(河南省)
遣唐使は楚州経由で往復した/ここが「東京」とは……/宋の太宗と奝然の対話/
東京における成尋/中日姉妹寺院――大相国寺
第15章 日本と長く古い縁――洛陽(河南省)
「京洛」の稚称、日本の京都/最初の日本との外交関係/日本の国宝となった金印/
黄河畔に眠る漢の光武帝/倭王卑弥呼、魏に使節を送る/漢魏故城遺跡に立って/
歴史に記載された「国書事件」
◇
玄宗帝と遣唐使/東都洛陽城遺跡を訪ねて/栄叡と普照ゆかりの大福先寺/
洛陽と奈良の慮遮那大仏
第16章 遣唐使がめざした憧れの都――長安(陝西省)
復元された古都長安の城壁/吉備真備公園となった唐代の国子監/
玄宗帝が藤原清河らを接見した含元殿/含元殿遺跡の発掘/
文献に残る史上初の中日囲碁対局
◇
阿倍仲麻呂記念碑/則天武后、麟徳殿で粟田真人を接見/
日本の高僧たちが学んだ西明寺/青竜寺――空海と恵果の不思議な縁/
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