詩人の書

詩人の書
著者 疋田寛吉
ジャンル 書道書籍 > 単行本 > 論考・随想
出版年月日 2006/03/17
ISBN 9784544011562
判型・ページ数 B6・264ページ
定価 1,760円
(本体1,600円+税10%)
在庫 在庫あり

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詩と書とは、もともと切り離せぬものであったはずだ。 現代にとって書とは何か。詩人であり書人でもある著者が、近代日本の書の姿を明らかにすべく、近代日本の詩人たちの姿を通して、様々な角度から思索した論考集。本書は現代における書論の試みであり、異色の近代文学論である。

〈本書の特色〉
・永年に亘って詩と書に親しみ思索してきた著者の、含蓄に富む論考。
・難解になりがちな本質論を、具体的かつ平明に語る。
・興味を喚起する豊富な挿図により、読者の理解を助ける。
・ハンディな判型で、携帯に便利。





詩人の書
 はじめに
 西欧の詩を種として産声を上げた明治の新しい日本の詩
 「千曲川旅情のうた」島崎藤村の詩書
 詩歌の書と近代詩の書の違い
 詩の書を求めての書の羽化
 詩人の感覚をむきだしにした朔太郎の書
 春夫と達治の詩書
 類型的でない、それぞれの書質の違い
 詩人に書の執着があってこその詩書
 犀星に詩書のない理由
 書道は絶壁の世代
 詩句の味わいの出た書
 〝幻影の人〟の詩書―西脇順三郎の場合
 ダダイスト新吉の詩書
 草野心平の書の骨格
 意識的でない詩書の系列―立原道造の場合
 現代詩を毛筆で書くことの意味
 詩書の一つのケースとして

詩の姿
 墨書と詩
 鮎川信夫――石徹白の詩碑
 現代詩の書作――原作のうたが聞こえる書

対談 北村太郎 × 疋田寛吉

詩魂の書―『断腸帝日乗』に見る荷風の書
 荷風の〈筆札〉感覚
 見逃せない荷風の書の二要素
 初期の毛筆忌避からの反転
 江戸時代の書家 沢田東江
 際限もない原稿の浄書と荷風の書論
 隅田川に投げ捨てた文反古
 偏奇館に出入りしだした二人の青年
 〈筆札〉に背かれた荷風
 『来訪者』と日乗の対照
 偽筆事件発覚と書のウエイトの退潮
 〝日本文化滅亡の時いよいよ迫り来れるなり〟
 むすび

近代芸術家の書―その異形の書の系譜
 注目され出した近代芸術家の書
 『明星』発刊を契機として
 書の世代差の持つ意味
 荷風と能成の世代差の実感
 異形志向の根をさぐる
 既往の書法と無縁の世代
 八一仮名書きの意味
 碧梧桐〈新傾向俳句〉六朝風の仮名書き
 近代究極の異形
 潜在する日本の書のベース

あとがき
 疋田寛吉の詩と書のフィギュール――あとがきに代えて 岡本勝人
 詩と書の架橋――現代書道の課題           森高雲

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定価1,760円
(本体1,600円+税10%)

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