文士の筆跡 3:詩人篇

文士の筆跡 3:詩人篇
著者 伊藤 整
木俣 修
瀬沼茂樹
楠本憲吉
松井如流
ジャンル 書道書籍 > 名蹟・作品集
ISBN 9784544013177
判型・ページ数 B5・200ページ
定価 3,300円
(本体3,000円+税10%)
在庫 在庫あり

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はじめに
 近代詩の開幕は新体詩の名によって、明治十五年に刊行された『新体詩抄』によって告げられた。維新以来十五年にして、この国の文学の諸ジャンルの中に新しいジャンルがヨーロッパから移入されたのである。新しい種子がこの国の土壌に生育を遂げるにはさまざまな困難があつたが、しかし明治三十年ごろには早くも匂い豊かな芸術としての詩が生まれるに至つた。それから七十年、あるいは海彼の時代思潮や文芸風潮に洗われ、あるいは歴史的な現実にさとく眼をそそぎながら、複雑多岐な詩の新運動が秀れた詩人たちの手によつて行なわれ、おびただしい詩か生まれついできた。
 「文士の筆跡」五巻は近代文学の歴史を築いた作家たちの筆跡を集め、筆跡によつて近代文学の隆替とそれぞれの作家の文業を眺めようとして企画したものであるが、その中の第三巻である本篇は詩人篇として六十五名の代表詩人の筆跡を選んで、ほぼ時代順に編纂した。
 入れるべくして事情によつて入れられなかつた詩人も二・三あるが、功業を樹てた詩人の大部分はここに登場させたつもりである。
 書幅・色紙短冊類・原稿・書簡にわたつて渉猟すること一年あまり、稀覯の多くを一堂に集め得たことを本懐とするものである。
 巻末に近代詩の史的展開を略述して、眼で見る近代詩史のささやかな支柱とした。
 はじめて試みた仕事として江湖の清鑑を得たいと念ずるものである。

   昭和四十三年首夏                             木俣修
                                (本文〝はじめに〟より)





詩人篇

はじめに ――――――――――――――――――――――――――――――――――――木俣修

北村透谷/島崎藤村/土井晩翠/与謝野鉄幹/薄田泣菫/蒲原有明/柳田国男/上田敏/
河井酔茗/伊良子清白/横瀬夜雨/児玉花外/野口米次郎/石川啄木/北原白秋/三木露風/
木下杢太郎/高村光太郎/野口雨情/川路柳虹/竹久夢二/有本芳水/室生犀星/萩原朔太郎/
日夏耿之介/山村暮鳥/福士幸次郎/大手拓次/堀口大学/西条八十/佐藤春夫/千家元麿/
佐藤惣之助/富田砕花/生田春月/白鳥省吾/百田宗治/宮沢賢治/八木重吉/尾崎喜八/
大木惇夫/吉田一穂/草野心平/金子光晴/高橋新吉/萩原恭次郎/岡本潤/壺井繁治/
小熊秀雄/小野十三郎/伊藤信吉/高橋元吉/西脇順三郎/春山行夫/安西冬衛/北川冬彦/
北園克衛/安藤一郎/村野四郎/三好達治/伊東静雄/丸山薫/田中冬二/中原中也/立原道造

近代詩の展開―――――――――――――――――――――――――――――――――――木俣修
詩人の筆跡―――――――――――――――――――――――――――――――――――松井如流
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