書の風景[書と人と中国と]

書の風景[書と人と中国と]
著者 河田悌一
ジャンル 書道書籍 > 単行本 > 論考・随想
出版年月日 2007/04/10
ISBN 9784544011579
判型・ページ数 B6・304ページ
定価 1,760円
(本体1,600円+税10%)
在庫 在庫あり

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「書は人なり」。王羲之、顔真卿、蘇軾などの書人や、魯迅、毛沢東など思想家・文人の書にまつわるエッセイ60篇を、中国思想史を専門とする著者ならではの大きなスケールで優しく語る。巻末講演録では、書の根底に流れる儒教と文化について解き明かしている。



万事如意――書は人なり
一陽来復――見事な春聯の字
大寒立春――李白の詩に託す春の訪れ
真贋不明――惜しかった呉昌碩の短冊
桜花爛漫――本居宣長、橘曙覧など国学者の字
江南楼閣――中国を旅して描いた雪舟
梅雨有情――杜甫と李白に寄せて
西湖蘇堤――東坡肉と土用の鰻
立秋有感――韓愈の文章の素晴らしさ
山東城武――もう一つの孔子廟堂碑
千古伝来――手本としての張之洞と米芾
出藍之誉――梧竹と茂吉
難得糊塗――鄭板橋のモダニズム
永字八法――書初めのすすめ
文革烈風――毛沢東の好んだ懐素
六榕有慨――蘇東坡の詩に託して
水郷紹興――士大夫の伝統を受け継ぐ魯迅の書
龍跳天門――海を渡った中国の書の数々
剛直之人――顔真卿の書とその生涯
自信過剰――老いて盛んな康有為の書
烈士暮年――河上肇が愛した陸游
風流天子――徽宗の書のモダンさ
豪快磊落――魅力ある朱徳の書
楷書模範――由緒正しく気品のある欧陽詢の書
篋底珍蔵――若き愛妻への章炳麟の書簡
士林之恥――香港で張瑞図の書をみる
用筆自在――褚遂良の房玄齢碑と雁塔聖教序
掌中之珠――香港でみた味わいのある印章
淳和円熟――進化しつづけた文徴明の書
気韻生動――厭味のない、真摯な字を書いた劉少奇
筆勢縦横――雄秀の気に満ちた朱子の書
一見稚拙――タブーだった于右任の書の再評価
篤好博学――甘く滑らかに寂寞を詠う蔡襄
愛国詩人――文天祥の文人的な書風
奔放自在――六朝人の風韻ある杜牧の書
魂力沈勇――余人の追従を許さぬ金農の隷書
雄厚滋潤――行書に優れた郭沫若
沈着痛快――専門家の本芸だった米芾の書
老拙枯淡――傅山の自筆原稿
晩節不善――逞しく生きる王鐸の書
筆意老到――自ずから一家を成した何紹基の書
老成達意――穏健にして公正だった胡適
不遇之人――上品で嫌味のない孫過庭の書
梅老道人――人となり孤潔な呉鎮の書
自立成家――死ぬまで努力をつづけた斉白石
果敢剛正――李邕の「麓山寺碑」におもう
沈氏三代――呉門・沈周の書と画と
天馬行空――徐悲鴻の馬の絵と書
博学多才――趙孟頫の愛情あるれる手紙
古今冠絶――文化、芸術の擁護者・乾隆帝
神気逼人――玄宗皇帝の人間らしい素直な書
変化奔放――悲惨な人生をおくった徐渭の書
自由自在――成法にとらわれぬ倪元璐の書風
風骨爛漫――日々の書写の鍛錬をつづけた祝允明
宛転蛾眉――豊子愷の漫画と随筆と字体
天涯游子――文人の味ある梁啓超と大町桂月の書
楓橋夜泊――寒山寺にある李大釗の書
東西兼備――蔡元培の達意の字体
簡潔平淡――雅致ある伊秉綬の隷書
気力横溢――気力と自信にみちた包世臣

講演「中国の文化と儒教」

  あとがき
  索引

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(本体1,600円+税10%)

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