私の好きな書

私の好きな書
著者 大東文化大学書道研究所
ジャンル 書道書籍 > 単行本 > 論考・随想
出版年月日 2007/11/13
ISBN 9784544011586
判型・ページ数 4-6・512ページ
定価 2,640円
(本体2,400円+税10%)
在庫 在庫あり

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昭和の書壇を築いた大家たち123名が、書作の礎になった名蹟と、それに纏わるエピソードを綴った書芸回想録。後進者にとって本書は、書作上の迷いを吹き飛ばす必読の一冊である。『大東書道』連載時の近影を掲載する。

【収録書家】
杉岡華邨・岡本白濤・今井凌雪・浅見錦龍・近藤攝南・梅原清山・谷村憙齋・榎倉香邨・高木聖鶴・甫田鵄川・古谷蒼韻・稲垣菘圃・松下芝堂・高木桑風・桑田三舟・種村山童・日比野光鳳・東山一郎・津金孝邦・黒野清宇・高木大宇・栗原蘆水・菅原石廬・関正人・井茂圭洞・新井光風・吉川蕉仙・田中節山  ほか全123名

 松井如流  篆隷混合書体の魅力
 熊谷恒子  〝一つ臨書三千回〟
 小沢神魚  好きなものはいつになっても変わりません
 吉田桂秋  空海の書に魅せられる
高木雙吉廬  無欲天真の良寛
 桑田笹舟  打楽器的リズム感に心ひかれ
 鈴木汪亭  楷書は現を抜かせて惜しませぬもの
 森田翠香  多くの古典に教え導かれて
 小坂奇石  変幻自在な行書
 大石隆子  模倣を基礎にいかに芸術の道に入るか
 深山龍洞  歳とともに抵抗感のあるものを好む
 中平南谿  浮華に流れぬ点画
 西谷卯木  〝意連〟を悟る
 生井子華  心温る名品との出会い
 北村九皐  良寛に見る日本独特の美しさ
 佐藤祐豪  奇古飄逸の面白さにひかれ
 西村桂洲  いつかものにしたいと眺める古典
 三村秀竹  都会的な雰囲気と世俗を超えた品格
 玉城紅竹  古筆を習うがとりこにはならない
 奥田家山  〝砂糖も好きなら塩も必要〟
 金子鷗亭  すっかり高貞碑のとりこ
 木村知石  すさまじい気魄に感動
 川北春江  川の流れのような美の展開
 上條信山  唐の整斉美と北魏の均衡美
 森田竹華  筆者の求めた理想に共感を覚える
 浮乗水郷  関戸本の静動と高潤
 金田心象  終始一貫、空海
 山崎大抱  王羲之の天才的な構築の妙
 中野蘭疇  漢碑と清人隷書
 今関脩竹  水も滴るような美しい線
 廣津雲仙  鄭道昭狂から張瑞図狂へ
 伊東参州  書の理想は用美一体
 岡本松堂  雄渾な書に心芽生える
 小暮青風  渾雅高邁な書格に感動
 赤羽雲庭  〝うまい字〟でない書を
 井垣北城  気宇雄大な摩崖刻
 泉原寿石  原拓から学ぶ
 阿部鉄蕉  奇を以って正となす
 宇野雪村  未知の世界への憧れ
 津村枕石  寂厳から仙崖へ
 宮本竹逕  関戸本を終生の師と仰ぐ
 村上三島  潘天寿の書画の楽しさ
 杉岡華邨  高い精神性をもつ書の得難さ
 天石東村  書は時代と風土と個性
 阿部珂山  懸命に習えば古法帖の良さが解る
 中村龍石  音楽的表現の墨継ぎ
 殿村藍田  六十歳までにすべてを習得する
 岡本白濤  魏晋唐の楷行三種の魅力
 徳野大空  少年の私を捉えた皇甫誕碑
 平田華邑  天平の音楽を聴くような空海の小字
 大岡皓崖  何冊も本を切り抜いて造形を分析
 池内艸舟  平安古筆から鎌倉以降までも
 中川雨亭  未知の書林に踏み入り資とする
 浅見筧洞  天衣無縫の素朴さに歯が立たず
 阿部醒石  日本の書の先人、池大雅
 坪井正庵  本物は瑞々しい
 川上南溟  深く見直し精習して
 浅井素堂  汲めども尽きぬ豊かな表情
 小林斗盦  古厚素朴老筆紛披たる趣
  梅舒適  どの時代も人智と技術に敬服
 小山素洞  かなは小字を修練
 安藤搨石  気取らない自然な素樸さ
 藤岡九波  粗本に興趣を深め宝とする
 太根啓山  技巧に走らず心を学ぶ
 伊藤鳳雲  悠久な古典の世界
 戸田提山  日本人の体質的親近感
 高橋蒼峰  書美の極地、良寛
 原田青邨  楊守敬から八大山人へ
 花田峰堂  奇異な造形と用筆に夢中
 渡辺緑邦  肉筆資料は百万言の解説書にも勝る
 三田清白  常に心打たれる喪乱帖
 成瀬映山  黄山谷の書三作に執心
  中村淳  古典は鑑賞するたび指針を与えてくれる
 安原皐雲  老松を思わせる逞しい筆致
 今井凌雪  王献之に中国の書の理念あり
 浅見錦龍  良寛、懐素から羲之に帰趨
 近藤攝南  正確な造形と豊かな抒情
 梅原清山  好箇の存在、石鼓文
 谷村憙齋  連載頁を合本して専心臨書する
 吉田蘭処  己の好む古典に帰する
 大橋南郭  独創革新、呉昌碩の虜
 榎倉香邨  かなの偉大な世界の虜
 高木聖鶴  複製の百見は真蹟の一見にしかず
 鈴木桐華  体質の違う分野にも魅力
 佐川翠龍  原拓の温みに感動
 藤本士啓  真蹟の気迫に打ち震える
 田島方外  新しい糧を探し求めて
 甫田鵄川  中国の書に思慕する日々
 辻本翔鶴  自分の好みを分類して学習
 古谷蒼韻  書の「わざ」は不可視の世界の表出
 草野靄田  傅山と黄山谷をあわせ学ぶ
 村寄鴨畦  淳化閣帖を繰り返し繰り返し
 稲垣菘圃  造形のイマジネーションが楽しめる篆書
 大島嵓山  明けても暮れても黄州寒食詩巻
 中島晧象  王羲之を主食として
 松下芝堂  癖のない純情そのもの
 黒沢春来  基本法帖の反復に終始
 吉澤鉄石  ほのぼのと温味ある日本の書
 浅香鉄心  温味のある円勢に惹かれ
 高木桑風  呉昌碩尺牘を座右に
 桑田三舟  あざやかな筆の開閉
 種村山童  忘れ得ぬ古典の積み重ね
日比野光鳳  荘重にして高い境地の世界
 東山一郎  古筆の養分を貪慾に吸収して
  山内観  形態は感情、理念、行動にしたがう
 津金孝邦  太宗の書を基礎に
 明石春浦  すべての古典を最良の友に
  古川悟  小篆の根源、泰山・瑯邪台
 黒野清宇  〝一帖三年〟を信じて
 高木大宇  心に響く〝祈りの書〟
 東地滄厓  陰翳を落とす古碑帖
 栗原蘆水  宋元の墨蹟に魅せられて
 野口白汀  古典はあらゆる美が展開する源流
 菅原石蘆  金石家の名品を渉猟
  関正人  一磈の古印に愛情寄せる
佐々木折柴  他の追随を許さぬ大雅
 鈴木春朝  無限にひろがる古典との出会い
 井茂圭洞  空間に深い関心
 新井光風  近寄り難い泰山刻石
 吉川蕉仙  〝味わいの世界〟を警戒
 田中節山  北魏楷書への憧憬
 金子卓義  奔放な感興を沸き立たせる摩崖
 青山杉雨  徐渭の伝統を破る快作に驚く

   書道古碑・名蹟年表
   あとがき

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(本体2,400円+税10%)

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