春は俳句で年賀状

春は俳句で年賀状
著者 横山煌平
ジャンル 書道書籍 > 硬筆・実用
出版年月日 2009/10/02
ISBN 9784544025217
判型・ページ数 A5・96ページ
定価 1,320円
(本体1,200円+税10%)
在庫 在庫あり

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初春にふさわしい90句を厳選!

年賀状だけは自分の筆で書きたい人への新たな提案。紋切り型の挨拶に代わって、心に適った俳句を送るというアイデアを紹介する。著者自ら初春にふさわしい90の句を選び出し、それぞれに手本となる作例を揮毫して解説を添えた。

【収録俳人】鶏冠井令徳、松尾芭蕉、小林一茶、正岡子規、河東碧梧桐、水原秋桜子 ほか







新年  元日や松静かなる東山         高桑闌更
    初み空ひとの歩みの映るかな      清水径子
    めでたさもちう位なりおらが春     小林一茶
    年立つや白玉椿ひとつ咲き       宮下翠舟
    正月の子供になりて見たき哉      小林一茶
    幾霜に心ばせをの松かざり       松尾芭蕉
    かんがり暮るる元日の明星かかり    荻原井泉水
    去年の火に今年の炎立ちあがる     黒川宏
    飛梅やかろがろしくも神の春      荒木田守武
    どちからも田中の神やかざり焚く    鈴木道彦
    元日や上上吉の浅黄空         小林一茶
    初明りして稚き松老いし松       軽部烏頭子
    初富士の大きかりける汀かな      富安風生
    蓬萊に聞ばや伊勢の初便        松尾芭蕉
    年は人にとらせていつも若夷      松尾芭蕉
    春ながの年の頭や福禄寿        鶏冠井令徳
    元日やされば野川の水の音       小西来山
    元日やまだ片なりの梅の花       窪田猿雖
    我春の若水汲に昼起て         越智越人
    元日や枯菊残る庭のさき        正岡子規
    浦の春ちどりも飛ばず明けにけり    建部涼袋
    まっかなる不二を拝めや初日かな    星野麦人
    砌に高き去年の桐の実         鳥居文鱗
    福わらや塵さへ今朝のうつくしき    千代女
    仏より神ぞたふとき今朝の春      野沢とめ
    ことぶきの名をつけて見む宿の梅    昌碧
    うたがふな潮の花も浦の春       松尾芭蕉
    初富士の赤富士なりしめでたさよ    大橋越央子
    元日や柳さくらの舞扇         久保田万太郎
    日の障子太鼓の如し福寿草       松本たかし
    元日は田ごとの日こそ恋しけれ     松尾芭蕉
    寝て居よか起きて居ようか花の春    水田西吟
    今年も又梅見て桜藤紅葉        井原西鶴
    かざり木にならで年ふる柏哉      芳賀一晶
    一本のレールの上や去年今年      大森扶起子
    月雪のためにもしたし門の松      向井去来
    春立やにほんめでたき門の松      斎藤徳元
    土をふむよろこび初日昇りけり     野田別天楼
    山万歳よぶことぶきや御代の春     藤谷貞兼
    元朝の見るものにせむ富士の山     山崎宗鑑
    於春々大哉春と云々          松尾芭蕉
    初春先酒に梅売にほひかな       松尾芭蕉
    生くることやうやく楽し老の春     富安風生
    元日の海に出て舞ふ一葉かな      中川宋淵
    春立つや静かに鶴の一歩より      黒柳召波
    去年よりもまさる目出度今年哉     和気慶友
    曙は春の初やだうぶくら        岡田野水
    元旦や大樹のもとの人ごころ      加舎白雄
    草も木も目出たさふ也けふの春     森田良春
    富士のねんしとはでも雪にしられけり  藤谷貞兼
    耳正月宝ぞ延ぶるとしの春       鶏冠井令富
    日の春をさすがに鶴の歩み哉      宝井其角
    又ことし娑婆塞ぞよ草の家       小林一茶
    見おぼえむこや新玉の年の海      長虹
    筆たても若やぐ年や対の春       松江重頼
    先祝へ梅を心の冬籠り         松尾芭蕉
    さざれ言もいははふとての試筆哉    石田未得
    田がへすは歌の種まく試筆哉      山本西武
    初日さす硯の海に波もなし       正岡子規
    書ぞめや去年をことしにうつしもの   高井立志
    鴬の歌や書ぞめ鳥のあと        山本西武
    紙のべてつねの手習ひ去年今年     鈴木伸子

春   春立つや梢の雪にひかりさす      松岡青蘿
    解けてゆく物みな青し春の雪      田上菊舎
    四方に春立ちはだかれる日足かな    松田利清
    梅がかにのっと日のでる山路かな    松尾芭蕉
    春立つやさすが聞よき海の音      立花牧童
    あめつちやこれ月花のたからぐら    山岡元隣
    竹馬やいろはにほへとちりぢりに    久保田万太郎
    ひたひたと春の潮打つ鳥居哉      河東碧梧桐
    新参の身にあかあかと灯りけり     久保田万太郎
    ぜんまいののの字ばかりの寂光土    川端茅舎
    若鮎の二手になりて上りけり      正岡子規
    春の潮岩門押しひらき激ち入る     水原秋桜子
    おらが世やそこらの草も餅になる    小林一茶
    音なしに春こそ来たれ梅一つ      黒柳召波
    たれ人の手がらもからじ花の春     釈 古梵
    古郷や餅につき込む春の雪       小林一茶
    花ざかり神もほとけもあちらむけ    川原一瓢
    春立つや愚の上に又愚にかへる     小林一茶
    菫つめば小さき春のこころかな     加藤暁台
    春めくや藪ありて雪ありて雪      小林一茶
    もの芽出て指したる天の真中かな    松本たかし
    春暁や人こそしらね樹々の雨      日野草城
    囀や小さき舌に神騎りて        松根東洋城
    一雫こぼして延びる木の芽かな     有井諸九尼
    麗しき春の七曜またはじまる      山口誓子
    春の日の威光をみする雪間哉      松江重頼
    初音皆心に対ふ是春か         堀麦水
    筆をゆふ花のしづくやすずり水     山岡元隣

    あとがき

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