山頭火 俳句のこころ書のひびき

さんとうか はいくのこころしょのひびき

山頭火 俳句のこころ書のひびき
著者 山村嚝
永守蒼穹
ジャンル 書道書籍 > 単行本 > その他
出版年月日 2010/03/12
ISBN 9784544200188
判型・ページ数 A5変・160ページ
定価 1,870円
(本体1,700円+税10%)
在庫 在庫あり

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山頭火の自然や人間を詠った34の句を、水・雲・草・風・故郷・人生などのテーマ別に鑑賞する。気鋭の書家による渾身の書と、分かりやすく心に響く文章によって山頭火の世界が今に甦る。



はじめに

〈椿〉       笠へぽつとり椿だつた
〈音〉       おとはしぐれか
〈青い山〉     分け入つても分け入つても青い山
〈竹〉       空へ若竹のなやみなし
〈酔い〉      ほろほろ酔うて木の葉ふる
          酔うてこほろぎと寝てゐたよ
〈水〉       へうへうとして水を味ふ
          水のいろの湧いてくる
〈雲〉       まつたく雲がない笠をぬぎ
          あの雲がおとした雨にぬれてゐる
〈故郷〉      雨ふるふるさとははだしであるく
〈草〉       うれしいこともかなしいことも草しげる
          草はうつくしい枯れざま
〈かきつばた〉   かきつばた咲かしてながれる水のあふれる
〈風〉       何を求める風の中ゆく
          いちにちすわつて風のながれるを
〈道〉       この道しかない春の雪ふる
〈しぐれ〉     うしろすがたのしぐれてゆくか
〈霰〉       鉄鉢の中へも霰
〈湯〉       涌いてあふれる中にねてゐる
〈生き物への愛〉  もう死ぬる金魚でうつくしう浮く明り
〈蛍〉       暗さ匂へばほたる
〈柚子〉      ゆふ空から柚子の一つをもらふ
〈茗荷〉      朝は涼しい茗荷の子
〈生花〉      寝てをれば花瓶の花ひらき
          あざみあざやかなあさのあめあがり
〈雪〉       雪へ雪ふるしづけさにをる
〈月〉       月へひとりの戸はあけとく
〈独居〉      張りかへた障子のなかの一人
〈食〉       いただいて足りて一人の箸をおく
〈人間への愛〉   安か安か寒か寒か雪雪
〈戦争へのまなざし〉馬も召されておぢいさんおばあさん
〈人生〉      濁れる水の流れつつ澄む
〈生と死〉     ひつそり生きてなるやうになる草の穂
〈一草庵〉     おちついて死ねさうな草萌ゆる

あとがき

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(本体1,700円+税10%)

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