太極の心［楊名時の志を継いで］

楊名時太極拳の極意、それは「心」にこそある。

創立50周年を記念し、楊名時師家の不動のメッセージを未来に贈る一書。親しく教えを受けた二人（後継者・楊慧×臨済宗妙心寺派管長・河野太通）が師家を回想し、将来に向けた決意を語る対談、楊慧師範の随筆「志を継いで」、及び師家自身の名言抄で構成する。

【本書の主な構成】
●カラー口絵「楊名時関帝美術館十選」
●楊慧×河野太通対談「よみがえる日々」「明日への眼差し」
●楊慧エッセイ「志を継いで」
●楊名時名言抄
●楊名時年譜

　　楊名時関帝美術館十選

　　序―――――――――――――中野完二

　楊慧╳河野太通
　対談第一部　よみがえる日々
　　　太通老師と楊名時師家の出会い／太通老師の独習方法／礼は往来を尚ぶ／
　　　楊名時師家の教え方／楊名時太極拳の極意――北京空港の思い出／
　　　楊名時師家の故郷を訪ねて／道衣は日中の架け橋「楊名時太極拳」の象徴／
　　　知之者不如好之者、好之者不如楽之者――おみくじの不思議／
　　　師家と老師の家族ぐるみの交流／龍門寺の再建／龍門寺での太極拳／
　　　苦悩を抱えての楊名時師家の参禅体験／動く禅としての太極拳／禅の呼吸と太極拳の呼吸／
　　　坐禅も太極拳も気持ちよく／楊名時師家を病院に見舞って／慧先生と師家の最後のデート

　志を継いで――――――――――楊慧
　　　父の背中／不怕慢、只怕站／一以貫之／父を送って／心も体もまあ〜るく、柔らか〜く／
　　　好之者不如楽之者／無心／以和為貴／父亡き後三年／「和」の力／師家のルーツを訪ねて

　楊慧╳河野太通
　対談第二部　明日への眼差し
　　　大衆禅道場・龍門寺が目指すもの／インドから中国へ――日常茶飯事の仏道／
　　　中国から日本へ――仏道そして太極拳の芸術化／
　　　楊名時太極拳はからだを通した「和の芸術」／楊名時師家の普遍の教え――争わない心／
　　　時代に翻弄された楊名時師家の人生／
　　　苦境の中でこそ生まれた「健康・友好・平和」のスローガン／楊名時太極拳の「世界性」／
　　　〝三昧〟の境地で舞う楊名時師家／慧先生の使命／
　　　これからの五十年――三昧の舞いから学ぶもの／人類共通の精神性／
　　　火を絶やさず灯し続ける／かけがえのない縁をこれからもつないで

　楊名時名言抄
　楊名時年譜
　あとがき―――――――――――楊慧