ほっとする禅語70

前代未聞、人にやさしい禅の教え。

誰もが一度は聞いている、七十の言葉を元に、楽に生きるための知恵を説く。気鋭の書家の書を配し、優しい文字が深く、深い文字が面白く読めるよう工夫。不安の時代にあって、内と外から心を癒し、晴れやかにする安らぎの書。

　　刊行によせて（永六輔）
　　はじめに

一、どんなことがあっても
　　日々是好日　　どんな日もいい日だと言えますか
　　喫茶去　　　　嫌いな人にも一杯のお茶を差し出せる余裕
　　明珠在掌　　　あなたは幸せをつかんでいるのに
　　行雲流水　　　自由に生きていこう
　　啐啄の機　　　師弟の出逢いの絶妙なタイミング
　　我逢人　　　　人と逢うことから全てが始まる
　　平常心是道　　人生に近道なし
　　無事是貴人　　何もしないでいいですよ、今のままで
　　阿吽　　　　　相手をバカにしてちゃ生まれない呼吸
　　不可思議　　　大きな数をかぞえる単位でした
　　一日不作一日不食　　働き溜めはなし、食い溜めもなし
　　放下着　　　　なんだって捨ててしまいなさい
　　和敬清寂　　　相手を敬えば和になれるのだけど
　　無功徳　　　　善い行いをいいふらすな
　　知足　　　　　何もかも足りてるでしょ？すぐに気づいて
　　和光同塵　　　自分が立派なことを隠す
　　春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて涼しかりけり　　あなたは誰？何がしたい人？
　　無常迅速　　　人生はあっという間だから
　　一行三昧　　　なんでもいいから一つのことに邁進する

二、心だけであなたを動かせる
　　遍界不曾蔵　　よく見れば見えます、真実
　　愛心　　　　　愛する心にもいろいろあります
　　老婆心　　　　若い人も男の人も、老婆の心になれます
　　回光返照　　　世間を気にしないで。あなたの実力を見て
　　廓然無聖　　　雲一つない空を想像してください
　　他不是吾　　　邪魔しないで！私が思った時に思ったことを！
　　本来無一物　　心を曇らせているのはあなたの妄想
　　喝　　　　　　自分にも言ってみますか
　　一期一会　　　人には丁寧に逢ってこそ
　　主人公　　　　あなたの中にいるもう一人のあなた
　　惺々着　　　　目を覚ませ！　
　　人人悉道器　　人間讃歌。自信をもって
　　夢　　　　　　目覚めたらはかなく消える夢で勉強
　　両忘　　　　　心に静寂が得られる方法
　　拈華微笑　　　目は口ほどにものをいい
　　莫妄想　　　　自分で心配の迷路を作っている人へ
　　曹源一滴水　　一滴の水が大河となる可能性
　　非思量　　　　身なりを整え、まっすぐ坐り、息を整える
　　一円相　　　　円満と拡がりの象徴

三、言葉では伝わらないことも
　　白馬入蘆花　　　　見分けがつかなくても別の人
　　あるべきよう　　　あなたはあなたのままがいい
　　名利共休　　　　　名誉も金も必要ありません
　　空　　　　　　　　縁があったから出逢った。縁がなければ？
　　善をも思わず悪をも思わず　　なぜどちらかに決めたがるのですか
　　松樹千年翠　　　　静かな存在を見逃すことなかれ
　　人身得ること難し　えっ、この身体は借り物？
　　壺中日月長　　　　心のしわざで狭くも広くも
　　滅却心頭火自涼　　逃げなければ、火の中でさえ涼しい
　　泥仏不渡水　　　　裸のあなたに価値がある
　　誰家無明月清風　　外見で人を判断してはダメ
　　一心　　　　　　　あなたを消極的にするも積極的にするも
　　竹に上下の節あり　松に古今の色なし
　　白雲抱幽石　　　　風景が生き方を教えてくれる
　　前三三後三三　　　数字がなんだっていうのですか
　　月は青天に在り水は瓶に在り　　ありのままの姿が一番大切なスタンス
　　黙　　　　　　　　黙っていた方が伝わることもあります
　　工夫　　　　　　　一心に修行に励むこと
　　行亦禅坐亦禅語黙動静体安然　　暮らしの中に禅の心を

四、次に何をしたらいいか
　　百尺竿頭に一歩を進む　　目標達成の次はどこに進むか
　　看脚下　　　　　　靴を揃える、そんなことが大事なこと
　　時時勤払拭　　　　毎日やることに意味がある。溜めちゃだめ
　　隻手音声　　　　　声なき声を聞こう
　　掬水月在手　　　　弄花香満衣　そのものに成り切る
　　応に住する所無くして而も其の心を生ずべし　　何ごとにも捕われない清浄な心をもって
　　一華開五葉　　　　花が実を結んで繁栄するプロセス
　　庭前柏樹子　　　　どんな答えも聞く人の心によって…
　　万法帰一　　　　　質問すればいいってものではありません
　　百不知百不会　　　何も知らなくていいんです
　　襤褸　　　　　　　良寛さまは「ぼろは着てても心は錦」
　　把手共行　　　　　誰と一緒に生きていくつもり？
　　柳緑花紅　　　　　斜めに斜めに、とらえていませんか

　　あとがき